その他の視力回復法
レーシック・ICLなどの近視矯正手術について
子供(未成年)の場合、共に手術の対象外となります。また大人の場合を考えてもいくつか問題が残っています。
レーシックは手術で角膜の屈折度を変えて、ICLは手術で眼内レンズを挿入して近視の矯正をします。
強度近視の場合やむを得ないケースもありますが、多くが近視の根本原因を改善しないままであるため、再度近視が進行しやすく再手術が必要になる場合も多いようです。
また、遠くは楽に見えるようになりますが、逆に近くを見る時は目の疲れ・眼精疲労が非常に強くなってしまいます。症状がひどいと自律神経失調症にかかった、“遠方はメガネが外せるようになったが、逆に近方にメガネが必要になった”などということもあるようです。
これは特にレーシックの術後、角膜の状態が落ち着くまで過矯正(遠視状態)となる場合も多いためで、「その状態が辛かった」との声もよく聞きます。
せっかくメガネ・コンタクトのわずらわしさから解放されたのに、視力が再度低下し満足できたのは数年間だけ・・・・となる場合も多いようです。
夜に光を見た時、光がギラギラとまぶしく見えてしまう「グレア」や光の まわりに輪が見える「ハロ」といった症状や眼内感染症なども懸念されています。レーシック難民、ICL難民という言葉も生まれており、術後しばらく経ってからの視力の再低下で悩みをお持ちの方が、当センターへご相談に来られ各種トレーニング法で視力を回復されています。
また、手術後に遠方は見えるようになっても、将来、老眼(近くが見づらい)の症状が通常より早く出る傾向性が高いようです。
手術をしたことで老眼の症状が早く出てしまいスマホ画面が見えなくなったという著名人もいるようですし、手術をしなければ老眼鏡が不要だった、というケースも実際多くあります。
遠方を見る機会が圧倒的に多い一部のスポーツ選手などには有効かと思いますが、格闘技をする人には高いリスクがあるため原則不可のようです。一般的な生活の方、遠方よりも近方を見る機会が多い方、数年内に老眼の影響が始まる30代後半以降の方には向かないと思われます。
オルソケラトロジー・オサート(角膜矯正用ナイトコンタクト)
夜、寝ている間に特殊な矯正用コンタクトレンズを装用し、角膜の計上を一時的に変形させて一定時間・期間だけ視力を矯正する方法です。
角膜の変形は恒久的なものではなく、時間とともに元に戻っていきますので、近視の場合、朝1.0の視力があっても夕方には0.3まで視力が落ちるなど安定性に欠けます。歯の矯正などとは異なり、装用を中止すると1~2週間で元の形状に戻ることが報告されていますので、本格的・持続的な視力矯正ではないと考えます。
また、寝ている時に無意識に目をこすったりすると、角膜に傷がつくこともあり安全面についても問題があり、就寝中の装用は、酸素や涙の供給が激減するなど目への負担が非常に強く、長期間の使用で感染症や眼病の罹患などの心配もあるようです。
ハードコンタクトであるため痛みや違和感などから装用を嫌がるお子さんも多いようです。
そして20年・30年と使用した時の臨床データがほとんどないことも不安材料の一つです。
コンタクトレンズを装用せざるを得ない観点から考えるならば、夜、寝ている間に装用するか?昼、起きている間に装用するか?の違いであり、わずらわしさが変わらないのであれば、視力が安定している通常のコンタクトレンズの方が良いとも言えます。
一番の問題は「近視が進行した原因を除いたり生活改善をしない限り、矯正用コンタクトを使用中でも近視は進行する。度が進む」という現実です。矯正用コンタクトは当初、近視進行抑制の効果も期待されていましたが、それは日中に矯正効果が薄れ徐々に視力が低下していく中で、遠くや中距離にピントを合わせようとすることが原理的に視力トレーニングと似た効果が期待されたからです。しかしスマホやタブレットを多用する環境下では、例えば、近くを見る時に近視用(遠方用)メガネ使用者がメガネを外して見る場合と矯正用コンタクト使用者が近くを見る場合とを比較すると、近くを見るピント調節のために目の中の水晶体や毛様筋という筋肉に、より強い緊張状態を与えるのは矯正用コンタクト使用者となります。
元々近視の進行は毛様筋の緊張などが起因ですのでそのような環境下で度が進んでしまうのです。
これにより数年後、矯正コンタクトを取り外した時に「以前は1.0見えていたのに今は0.5しか見えない」となり、矯正用コンタクトを再度作り直す必要性が出てきます。
近年、矯正コンタクトを使用後の視力の再低下で当センターに相談に訪れる方が増えているのはそういう理由です。
レーザー手術が適さない円錐角膜に対応するための使用ならばやむを得ないと思いますが、近視が進行しやすい小中学生や未成年者は、遠くがどうしても見えない場合には支障がない度数の軽いメガネ、近くは近視が進行しにくい視力回復サポートメガネなどを併用しつつ、視力回復トレーニングで視力を回復していく方法が、最も安全性が高くリスク回避もでき、将来も対応力が高い視力回復法であると考えます。
その他の視力回復法
ヨガによる視力回復(視力向上ヨガ)またマッサージ機や簡易的な機械、グッズ、通信販売での教材などによる視力回復法をよく聞きます。
多くが医学的な根拠がないものが多く、本当に回復するならば当センターが一番に導入しています。
最近、血行をよくすることで視力が回復する、などと聞きますが、それならばレンジで温めたタオルをまぶたに置いたり、シャワーを浴びる際に38~40度のお湯を目の周りの筋肉にあてる、などの方法で視力が回復することになります。
これらはあくまでも軽度の眼精疲労対策を目的に行うならばお薦めしますが、本格的な視力回復には至らない、と言わざるを得ません。
また中には公正取引委員会から悪質として警告を受けた業者や機械、グッズもありますのでご注意下さい。
※レーシック・ICL・オルソケラトロジーを経験の方で、視力再低下や回復不十分の方を応援しています。
視力を再回復させ老眼進行を予防しませんか?